年に何度か金沢に行きます。その間、診療ができず、患者さんにはご迷惑をおかけしています。 今回は、金沢で何をやっているのか、に関連したお話をします。

私は、金沢大学の医学部にある、公衆衛生学教室に所属しています。肩書は、「協力研究員」です。そこには、社会人大学院生として、2名の獣医師が所属しています。私は、微力ながらも、そのお手伝いをしています。私自身の、獣医としてのスキルアップになるわけではありませんし、実績になることもありません。また、人からは、「金沢に行くのですか。いいですね。」と言われますが、観光を楽しんだことはありません。用事を済ませたら、坂戸へと帰るだけです。もちろん、交通費を含めて無給です。そのため、「なぜ、そんな手間、暇、費用のかかることをやっているの?」と、質問を受けることもあります。 答えは以下に。

先日、大学の仕事として、とある町で行われている集団検診に参加しました。私は、参加される方々へ、検診の補足説明と同意確認を行う係でした。仕事はなんとか乗り切ったのですが、慣れないせいもあり、非常に疲れました。

検診の内容は、食生活や、ある病気の症状などを含む、生活に関するアンケート調査。身長や体重、視力や聴力、血圧などの一般的な身体測定。エックス線検査、超音波検査、血液検査や尿検査、糞便検査などの臨床検査。他にも、骨密度や毛髪検査など。また、必要や希望によっては、例えば、認知機能検査なども行います。特に血液検査は、様々な項目を含みます。その結果によって、二次検診の必要性を案内したり、検査結果を地域の基幹病院と共有したりもします。

病気は、個々の持つ遺伝子と、暮らしている環境、ならびに時間の経過(年齢)が、互いに影響し合うことで、発生します。(もちろん病原体や、ある特定の遺伝子が、病気の原因になることもあります。)集団による定期検診を、長期的に継続することで、それらの関係を、より厳密に検討できます。その結果から、病気の予防や早期診断だけでなく、個々に応じた的確な治療までも、確立できる可能性があります。

大学の仕事に関わって、自分なりに。 犬や猫でも、健康に、楽しく過ごすための、様々な努力がなされています。繁殖者、ご家族や周囲の方々、獣医師を含む、ペットに携る職業の方々、行政の方々など、それぞれ、お互いに、努力や工夫をしています。現在は試行錯誤の段階でしょうが、それらの集積が良い結論をもたらす日が来るでしょう。ただそれだけではなく、その結論を、個々に応じた、より良い暮らしへ、繋げていかなくてはなりません。それらを意識して、日々の診療を行おう! みたいなこと、を考えました。

まあ、結局のところ、質問の答えは、「刺激を受けることができて、楽しいから。」です。